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終わりの始まり

昔ガガーリンと言うバンドがありました。どうしてバンドをやることになったのか記憶はあいまいなままです。最初は不破君がおりました。不破君は幼少時北海道であの月に行ったと言われているガガーリンにだっこされたそうです。それでバンド名をガガーリンにしたのです。不破君にとっては素敵な思い出だったのでしょう。田口君と藤川君がおりました。田口君と藤川君と私と田口君がちょこっと詩を書いてサックス吹いたり歌ったり私もちょこっと詩のようなものを書いて唄ったりヴァイオリン弾いたりしておりました。藤川君がいろんな楽器でなんとなく曲っぽくしていたんでしたっけ。なぜ不破君がいなくなったのかよく覚えていません。気がついたらフェイドアウトしていたようにも思います。私と田口君がバカやりすぎて呆れてしまったのかもしれません。田口君も不破君も当時良く私が住んでいた高田の馬場のマンションでゴロゴロしていました。不破君がインスタントラーメン食べながら流しの下で寝っ転がっていたの覚えています。田口君は私の娘の寝ているベッドに無理やり潜り込もうとして私に怒られていました。不破君はもしかしてまだ10代だったのかもしれませんし田口君も20をちょこっと超えたぐらいだったような気がします。私が少しお姉さんでした。そう新子姐さんでした。田口君と藤川君と私は4年間ほどガガーリンをやっていたのだと思います。渋谷の発狂の夜というすさまじい名前のライブハウスもありました。他のメンバーは色々な人が入ったり変わったりしていました。なぜだか分りません。今の若者の70%以上が幸せだと思っているようにこれは昨日の朝生で知りました。私も私たちもたぶん幸せだったのだと思います。私はクラクラをやっていましたからそんなに貧乏ではなかったですがほかの人たちは貧乏だったような気がします。今だから言っちゃうけどよく万引きもしました。愉快犯ではなく貧乏だったからです。でも私の記憶の中にはみんながにこにこしている顔しか浮かんできません。その後私はテント芝居に入りましたがそこでは毎日反体制だの反天皇制だのと時には殴り合いまでして議論しておりましたし私も山谷に行ったり寿町に行ったりデモしたりして警官に蹴られたりしていましたがガガーリンのころはケンカもほとんどなくなぜかにこにこしている記憶しか残っていません。下呂吐いたりうんこしたり放送禁止用語を連発していましたがガガーリンはとても楽しかったのです。思想を口にはしませんでしたけれどアンチであることは確かでした。そして田口君がばちかぶりをはじめガガーリンはなんとなくフェードアウトしました。それからずいぶんたって不破君とはテント芝居や私の一人芝居の音楽なんかでいろんなことしました。そしてだんだん渋さ知らズが出来て行きました。田口君は映画で活躍し始め藤川君は葉山で海の家をやり私は演劇も少しはやっていたけれどカウンセラーと精神保健福祉士の国家資格をとったりして精神障害者が大好きでいろんな精神科クリニックや精神科病院で働いていました。名古屋に行ったり群馬に行ったり一時私はみんなから行方不明と思われていました。引っ越しのたんびにたくさんのゴミを捨てましたがなぜかカセットテープとVHSは捨てられず今でも山のように戸棚に入っています。たくさんの知り合いやもっと親しかった人たちが病気や自死であの世に行きました。たくさんの猫さんとも一緒に暮らし別れました。去年の7月は最悪でした。18日と30日にリリ―ちゃんとののちゃんがいっぺんに死んでしまったのですもの。ののちゃんは不破君たちが法政でやったルナパークミラージュと言う芝居の時どこかのゴミ捨て場から拾ってきた猫さんでした。それを私が引き取りました。もう17年か18年前のことです。ののとリリ―に関しては未だにきちんと喪の作業が出来ていません。骨壷が二つダイニングテーブルの上に置いてあります。どこかで何かのけじめをつけたら私はきちんと喪の作業が出来るのかもしれません。でもけじめをつけていません。つけられないのです。悲しみを回避しているのかもしれません。なぜガガーリンのCDを出すことになったのか。これにも確かな理由はありません。今までに何度かそういう話もありましたがいつも途中で立ち消えになりました。私の本棚から田口君の本棚から昔のガガーリンのカセットが偶然出てきて聴いてみたらそんなに劣化していなかったから。としか言いようがありません。私がなぜ演劇ばっかりやっているか今ではだいたいビデオに撮りますが基本一回やったらそれでおしまいであとかたもなくなってしまうのが好きなのだからかもしれません。私は64歳になりました。少しだけ過去に自分のやったことの痕跡を残してもいいかなと思ったのかもしれません。私は今ものすごく死を意識しています。いつも死のことを考えています。いえ決して私は自死はしません。でも長生きする気もないんです。やりたいことはまだいくつかあります。たくらんでいることもあります。たぶん今度のガガーリンのCD化もその一つだと思います。お棺に入れるものが一つ出来ました。もういくつかの物をお棺に入れるために私はもう少し生き延びようと思っています。そうしてささやかな生きた痕跡を残しておいてもいいかなと思っています。そんな終わりの始まりです。
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紅麻呂

素敵な生き方と思います。死と向き合いながら生きた痕跡を残す。今の私には出来ない生き方ですが。
by 紅麻呂 (2012-02-26 09:00) 

ワタナベ

 そのころ、わたしは惚けていたのでしょうか。あ、今もか。
 楽しみによらせていただきやす。
by ワタナベ (2012-02-26 14:37) 

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